2018.12.25 暁喩

※2018年に他所に書いた記事の転載です

腫瘍が動いてる感を感じてます。

前ほどじゃないけど
ザワザワ、水面下でギシギシ。

肋骨かなぁ？

先日、“胃浸潤して胃全摘”というのをどこかで目にして
何となく他人事では無いんだなと震えた。

もうどうにでもなれ！
なるようにしかならないんだから、
切る時に範囲がどうなってるかの
結果の問題でしかない！！

失うのは組織だけ！！

そう思ってるけれど
時々フッと怖くなる夜もあって

どこまで浸潤してるんだろう今…

エコーに映らないところは
どうなっているんだろう？
エコーで見えない根はどこまで張っているんだろう？

と怖くなる。

だけどバカだから、
不妊治療周期が始まると
私の中で不妊治療が最優先になって
どうにでもなれ！デスモイド！！
となる。

ふと思い出す。

「悪性腫瘍かもしれません。

　今、私の経験した最悪の苦いケースがいくつか頭を過ぎってます。」

と言われた時、
くうたはまだ2歳になる前で、あの時私はこう思った。

「死ぬ準備をして死ねるなら、
　事故や災害で突然死ぬより私にはあってる。
　だから準備できる分、私はラッキーだった」

「なんで死ぬと思う？！なんで？」
と強い口調でドクターに聞かれたけど
特に理由なく、きっと誰もがそう安易に考えるのと同じに
ただ漠然と私はきっと死ぬんだなと思った。

悪性ではないと分かるまでの4ヶ月ほど、
時間は有限だからとせっせと終活した。

「悪性ではない場合も、非常に珍しくて厄介な病気には違いない」
と言われたからかなんなのか。

悪性ではなかった。
良悪性腫瘍と言われた時、良かった！！とは思わなかった。

「またいつか、
　悪性かも知れないという恐怖に
　慄く日が来るかもしれないんだな」
と思うと、執行猶予がついただけの気がした。

なら、その執行猶予分を
悔いなく生きれるようにしたいと思ったのに
今の私は発病まえと何も変わりなく
やりたいこともやり方がわからなくて
突き進めずモヤモヤするだけの人生を送ってる。

自由になるには勇気がいる。

自由になるには捨てなきゃいけないものも
たくさんあると知った。

肋骨を失ったとしたらどうなるんだろう。
こどもは産めるのかな？

なんでそんなにこどもに拘るのかな？

不思議だな。自分で手首を切ったなら
それは自傷行為なのに、
自分の変性した組織が自分を苦しめても
それは病気にしかなり得ないのだから
不思議だな。

ホルモン補充周期中から
何だかずっと夜、眠れていない。

何でもかんでも
上手くいかないことは
厄年のせいにしてしまえばいいのだから
楽っちゃ楽だけど、
なんだかなぁ……

祖母の葬儀の時、
祖母の姉が言ってた言葉が
眠れぬ夜に何となく頭の中でリフレインする。

「和ちゃんはこの家に嫁いできて、
　なんも1個も幸せなことがなかった人生やった。

　和ちゃんは可哀想な人生やった。」

その、その祖母の人生の果てにある私の人生って
一体、何なんだろうねって。

祖母も難しい病気を患って若くして亡くなった。
満州からの引き揚げで生死をさまよい
帰国してアカと呼ばれ蔑まれ
舅姑に揖斐り倒され息子をとられ、

働きづめで病気になって呆気なく亡くなった。

あの人の人生、幸せなんて何にも無かったのかな？って考えて
自分を見つめる。

寝たきりの祖母は手足は変形し、

枯れた木の枝みたいで、なんとも言えず怖かった。

勿体ないな。
私、勿体ない生き方してるな。
不器用だな。

自分自身に
雁字搦めに縛られてるな。

もう35歳。
もがいてないで、進めよ。

御託並べてなくていいから
とりあえず進めよ。

そういって腫瘍の疼きは私を急かしてるのかな？

時間はないよ？

人生はそう長くないよ？

私がしなきゃいけないことって
…なんなんだろ。

なんで悪性じゃなかったんだろ。
なんでこんな状況になってんだろ。
なんで私なんだろ。

なんで今なんだろ。

なんで誰も知らないような病気なんだろう？

なんで悪性じゃないのに進行していくんだろう？

なんで、今日も眠れないんだろう。

なんでお腹の腫瘍は
疼いたり鎮まったり、暴れたり熱を持ったり
生きてるみたいに動き回るんだろう？

早くしなさい！時間はないよ！
そう言って、
私のお尻を叩いてるのかな？

うまくいかない不妊治療も人生も

私はどうしていけばいいんだよ。

正解を教えてくれよ。