happypig~障害夫婦生活雑記~

障害者夫婦なんて、世の中にそうある組み合わせで脊髄損傷車椅子旦那の夫と突き抜けすぎてる妻、そこにぽっこり産まれてきたこどもの生活を描ていきたいと思います ☆

【2人目不妊治療】2019.9.10 採卵 平坦な気持ち

※9月に他所に書いた記事の転載です

 

 


驚く程に平坦な気持ちだった。

 

 


またきっと受精なしになる。

だけど私は私のやれることをこなすしかないのだから
泣こうが喚こうが変わらない。

 

なら、取り乱す意味は無い。

 

 

 


何度手折られても、
先なんて分からないから
希望を求めて
走り続けるしかない。

 

 

 

 

今、病院のベットの上にいても
明日には変わらぬ日常が戻り、
今日を忘れる。

 

 

 

 

採卵日。


お金じゃない。
母の朝は忙しい。

 

1分でも長く居ないと、やることはたくさんある。

 

特急を使うようになったのは
子どもがうまれてから。

 

朝のラッシュにすっぴんのまま揺られ
似たような出で立ちのサラリーマン達を
不思議だなと眺めながら
私も人混みに紛れて歩く。

 


バスの運転手さんは、私の障害者手帳をみて頷いた。

 


病院について、病衣に着替え
病人になる。

 


みな、役割に応じた服を着る。

 

 

 

そういう、国なんだなと思った。

 

 

 

 


人前でショーツを脱ぐことも
随分年下の男性の前で股を開くのも
もう慣れすぎた手順……。

 

 

点滴が入らず、何度も刺し替えされるのも
慣れすぎた手順……。

 

 

9時過ぎ。

 

 

気持ちはフラットで
初めましての女医さんはエコーするなり
「経膣と経腹とでいきます」

 

 

もう何度目だろうね?新人ナースのための教材になる。

 

点滴に痛み止めと麻酔が入る時の
腕のひりつく感じ、喉の奥のチリチリする感じ。

全部がいつも通り。

 

 

 

また急変するのかな?そう考えてるうちに
「次お腹いきます」と聞こえ
嗚呼!と思うと、腹壁に針が突き刺さるのがわかった。

 

 

2発は刺さったと思う。

 

 

やっと終わり、今回は麻酔からの覚醒が早かったなと
バタバタ動くスタッフを眺めていたら
だんだん震えが止まらなくなり、
シバリングが始まった。

 

 

 


寒いのかなんなのか
身体中がガクガク痙攣して止まらない。


苦しいよ。

 

 

 


治まってきたと思ったら
意識が遠のき
名前を呼ばれて、「目を開けて!」と何度も叫ばれる。

 

 


酸素マスクが付けられて
シバリング何分?サチュレーション70、すぐ温めて!」

 

電気毛布でくるまれ、心地よい。

 

でも、息がうまくできない。

 

 

ドクターとナースがバタバタしている。

「人呼んで!空いてる助産師いないの?」

 

 

何かしらの点滴が追加され
もう苦しいから意識を失ってしまおうと
目を閉じると
「息して!!深呼吸!!」と叫ばれる。

 

 

しばらくしてシバリングが落ち着き
Spo2も落ち着いたらしい。

 

 

導尿されたのが痛かった。

 


ストレッチャーで分娩室に移された時には
もう1時を回っていて
それでもぐったりして酸素マスクがついていて
声をかけられる度に反応するけど
声は出ない。

 

 


2時過ぎに病棟からベットが来て
ベットのまま病室に戻った。

 

 


ドクターの説明は
麻酔覚醒後のシバリングは体温をあげるための反応だが
滅多に起こるものでは無いこと
Spo2が落ち着いて自発呼吸が安定しているから
様子見で大丈夫とのこと。


以前にもあったなら、体質かもと。

 

点滴がはいりづらいのでルートは念のために退院まで残すことになった。

 

 

 

 

驚いたのは

以前の急変がカルテに記載がないこと。

 

 

11回の採卵で
静脈麻酔採卵をして
急変がなかったのは2度ほど。

 

 

パニック発作で片付けられてきたけど
パニック発作とは明らかに全く違うのに。

 

 


採卵は穿刺7、獲得卵子は6だったらしい。

 

 


ODの後のような気だるさと気持ち悪さが続き
吐き気がする。

 

 

歩く度に卵巣に響く。

 

 

 

これが最後の採卵かもしれないのに
私は今、不思議なくらいフラットです。