happypig~障害夫婦生活雑記~

障害者夫婦なんて、世の中にそうある組み合わせで脊髄損傷車椅子旦那の夫と突き抜けすぎてる妻、そこにぽっこり産まれてきたこどもの生活を描ていきたいと思います ☆

【2人目不妊治療】2019.6.10 死ぬかと思った②

※2019年6月に他所に書いた記事の転載です

 


バイタルチェックの機械が外され、
見習いから独り立ちしたばかりのナースが
「お疲れさまでしたね」

と言いながら、ショーツを履かせてくれた。

 

「あ、お腹からのやつ、卵子取れてましたよ」
培養士さんとバックヤードで作業しながら
ドクターがいった。


そんな声も耳に入らないくらいに
体は震えて、
自分がショック受けてるのがわかった。


「こぶたさん?とれてましたよ」


ありがとうございます。
と言いながら台から降りて
よろよろとスカートを履いた。


お礼を言ってIVF室を出て、
旦那のいるラウンジによろよろ戻った。

 

 

歩いてられなくて、すぐ椅子にへたりこみ
「終わった。やばかった…」
と笑いが止まらなかった。

 


「腹刺された」
というと旦那はよく分かってないようだった。
「いつもは下から指すんだけど、腹から刺された…やばかった」
と言うとようやく分かったらしかった。

 

 


外来に行くために広い院内を移動しなくてはならず
痛みが酷くて、しんどかった。
エレベーター前で旦那の膝にカバンを置いた。
エレベーター待ちをしてた人達がギョッとした顔をした。

 


外来ではなかなか呼ばれず
顔から血の気が引くのがわかった。
旦那に何度か
「痛いの?」
と聞かれた。


トイレに立つと珍しく出血が多くあった。

 


気分だけが高揚したまま、痛みを紛らわせたくてTwitterばかりしてた。

 

 

随分まって外来で呼ばれ、点滴をすると言われてまた随分待った。

私の血管はなかなか針が入らない。

点滴がまたなかなか刺さらず、
刺さった途端に漏れてすぐに引き抜かれた。

 


1時間ほどの点滴で
待つのが嫌いな旦那だけど
呼ばれてずっと横にいた。

 

 

時々点滴を見ては
「あとこんくらいだ」
とか呟いていた。

 


もう自分でも10回目だか11回目だかすら
よく分からなくなってる採卵。
旦那が付き添うのは初めてだった。

 


点滴をして、少し痛みがゆるやいで
会計に立った。

 

86000円だった。

 

 

手持ちがあるから3日分にすると言った抗生剤は
5日分出ていて、
どうします?と聞かれたけれど
薬価を見てもらったら53円だったから
もういいやとそのまま払った。

 


帰宅する車の中で急に血の気が引いて
そのまま眠ってしまった。

 

 

帰宅して私を旦那はそのまま私を下ろしてくうたを迎えに行く。

カップル風に
「送ってくれてありがとう。今日は楽しかったわ」
と言うと
「いや、何も出来ませんで申し訳ないです…」
苦笑いしながら車を走らせた。

 


私はそのまま眠ってしまった。

 


局麻が良かったのか
静脈麻酔が良かったのかは分からない。

でも、経腹採卵はして良かった。
しなければ卵子は3つしか取れてなかったから。

採卵数は5個だった。