happypig~障害夫婦生活雑記~

障害者夫婦なんて、世の中にそうある組み合わせで脊髄損傷車椅子旦那の夫と突き抜けすぎてる妻、そこにぽっこり産まれてきたこどもの生活を描ていきたいと思います ☆

【2人目不妊治療】2019.9.13 これが最後かもしれないから

※9月に他所に書いた記事の転載です

 

 

どうせまた……
それなのに……

 

 

 


そんなことを想いながら
待合室でひたすらスマホゲームに打ち込んだ

 

 

 

 


ドクターの
「うーん、やっぱりねぇダメだった」
と顰める顔は
もう幾度となく見てきたもの


なかなか呼ばれないってのは
またそういうことなんだから

 

今なら、
今なら強くあれるよ

 

 

 

 

やっと点いた表示に
ノックして入った先にドクターは居なくて
後から来たドクターの表情は厳しくて

 

 

 

嗚呼、ね、ほらそう

 

 

 

 


「こぶたさん、一応ね85点の卵がひとつ、
70点の卵がひとつ」

 

 

へ?

 

 

 

「ひとつは胚盤胞に行きそうに思うんだけど
まれにこのグレードでダメになるのがある。
どういうものかと言うと、精子の質が悪いもの」

 

 

 

精子の質…ドンピシャじゃん……

 

 

 


「どうします?」

 

どうしましょう……私どうしたらいいんでしょう?

 

「何が正解か、ピシッと言えればいいけど
こればっかりはなってみないとわからないからね
でも卵巣腫れてますからね、ohssはなるだろうね」

 

 


もし戻すなら、
悪いものを戻したいと思ったんです。

グレード悪くて、無理だろうなって子を。

 

 

 

 

「それもなかなかしない考え方だけど、
グレードいい方を胚盤胞になると信じて
万全の体制で戻すとして
まぁ母体の負担考えたら普通はしないんだけど
今、悪い方をもどすってのは
そう悪い考え方では無いかもよ。
培養士、今回こぶたさんのケースにかなり集中して
やってたようですし、移植しますか。」

 

 

 


「今度こそ妊娠したいですね」

ドクターはそう言って席を立った。

 

 

 

 

 

 

 

本当によかったのか戸惑いながらも
指定された時間にIVF室に向かった。

 


本当によかったの?よかったの?
万全じゃないのによかったの?


自問するけど答えは出ない。

 

 

 

 

 

 

先が見えればいいのに。
見えないから私もドクターも迷う。

 


判断を間違えたかもしれないけれど
私が妊活の終焉を受け入れるためには
移植は必要だったんだ。

 

 

 


なんでみんなが私を妊娠させようとしているのに
私だけが終わりを見ているんだろう。

 

 

 

 


卵巣は腫れていて、
なかなか移植位置は決まらなかった。

 

 

 

 

移植ドクターは何年も前に採卵をしてもらったドクター。

 

 

 

 

どこかに行かれたはずなのに、
また戻られたのね。

 

 

 

 

 

 

培養士さんと何度も何度も無言で見つめあって


「私はこれが仕事ですけど、
こぶたさんは仕事ではないから
本当にお疲れさまです。」

 

そう言われた。

 

 

 

 

 

ずっと思ってたの。
もうここに来ないかもしれないと思った時、
子授けお守りを託そうって。

 

息子の胚を移植した日、
IVF室の壁に子授けお守りがぶらんと垂れ下がっていた。

 

それ見て、よし妊娠する!と思えたから
培養士さんに
コウノトリのお守りを託してきた。

 

 

 

 

培養士さんは感慨深そうに
「私もこぶたさんが妊娠されることを祈ってます」

そう言って深々頭を下げられた。

 

 

 

しばらく見つめあって
涙が出そうになったから、ありがとうございます。
よろしくお願いします。

と、IVF室を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

精子があるって、幸せなことだよ

受精するって、幸せなことだよ

自分の赤ちゃんを抱けるって、幸せなことだよ