脊損男性って双子授りやすいってほんと?
化学流産後、いつもと違う生理が来て
1ヶ月間の体の変化も感じ、
医学的には化学流産は妊娠ではないと言われても
体は確実に妊娠の症状を示していたし
化学流産後もいつもとあまりにも違いすぎ、
戸惑いが先行して、
自分の気持ちすら気づかずにいたけど
やっぱり体はちゃんと妊娠を感じていて、
着床した赤ちゃんを亡くしたんだということを
ようやく感じ始めたところで
17周期目を迎えてしまいました。
不妊治療って、お金も時間も大きく拘束されます。
まだ見ぬ第2子と今いるくうたを天秤にかける日々にうんざりしているし
正直もう辞めたい。
でもここで諦めていいのかわからないし、まだ見ぬ子どもの命を諦めたくはない。
お金出すのは旦那だけど、私の人生と体を削って作る我が子なんだから
正直あと2人欲しい・・・
だからまだ、諦めない。
不妊外来の診察待ちでこの記事を書いています。
でだ、
脊髄損傷男性ってあまりにも自分の生殖機能について無知じゃない?
不妊治療って何するのか知ってる?
うちの旦那も含め、男性はそもそもそうなのかも知れないけど、
自分の生殖のこともっと知ってください。
彼女欲しいとか嫁が欲しいとか言うなら、
ちゃんとそこまで考えよう!
今ある精子、結婚して赤ちゃんを望んだとき
あるとは限らない。
使える精子があるとは限らないんです。
Twitterでコメントいただいたので
分かる範囲でお答えしますね。
Q「子供は多い方がいいですよね兄弟仲良くみたいな😋
脊損の方って人工受精すると、
双子が生まれやすいて聞くんですがそうでもないんですかね?」
確かに私がリアルに知ってる方たちの中にも
三つ子・双子のいる車椅子パパは3人もいます。
因みに知り合いの健常者の子どもに双子は
…いません!
実は最近、双子そのものが増えているそうです。
その背景にあるのは、不妊治療の増加です。
①人工受精・体外受精・顕微授精の違いって?
何が違うか、それは受精させる場所と方法の違いです。
人工受精
卵子は取り出さずに、採取した精液の中から
受精の可能性の高い精子を女性の体内に注入する方法
細胞分裂をさせたのちに女性の体内に注入する方法
ふりかけ(通称): 精子自らの力での受精を促す方法
顕微授精: ふりかけしても受精する力のない弱い精子の中から
最も元気そうな1つを選び出し、
卵子に針を刺し直接注入し人工的に受精させる方法
自ら射精することの難しい脊髄損傷男性の場合、人工受精は難しいと思います。
弱く数の少ない精子に対しては
卵子を1度にたくさん採取し受精卵を作る方が効率が良いため、
大抵は排卵誘発剤を使用してたくさんの卵子を育て、それを採取する方法がとられます。
通常、1個か2個しか卵胞が育たないはずの卵巣。
それを薬で何個も育てるのですから
女性の負担は大きくなります。
排卵誘発剤って?
通常1~2個しか育たない卵を複数育てるためのホルモン剤です。
飲み薬、注射などありますが
体外受精の場合は注射が主になるかと思います。
卵胞が成熟するまで、毎日筋肉注射を打ち卵胞を育てます。
(私の場合は10~15本で通院注射です。自己注射もありますが成分が違い私には合わないそう)
これを使うことでも、多胎妊娠のリスクが少し上がります。
採卵って?
排卵誘発剤で、もしくは自然に育てた卵を
採取し体外に取り出すための手技です。
何をするの?
簡単に言うと膣から卵巣に向かって18Gくらいの太さの針を刺し卵子を取り出します。
痛くないの?
めちゃくちゃ痛い!!
採卵そのものはもちろん、前処置すら痛い!
針は1度ではなく、採取する卵子の数以上に何度も刺します。
卵子の数や病院の方針で違いますが
無麻酔の場合、ボルタレン坐剤の場合、
静脈麻酔の場合もがあります。
でもいずれも、めちゃくちゃ痛い!!
終わったあとは腹痛と覚めやらぬ麻酔とで
とても苦しいのです。
(そんな妻に「今日のご飯は?」なんて聞こうもんなら私がぶっ飛ばしますよ👍)
②高度不妊治療で多胎妊娠が多い訳
今は学会で1度に移植する胚(受精卵)は2つまでと決められています。
私の通う病院では更に
①35歳以上
②2回以上続けて妊娠しない
という条件で、更に希望した場合のみに2胚移植が行われます。
ではなぜ2胚移植を希望するか。
それは1度に2人産みたいから!でも
双子が欲しいから!でもありません。
そういう方ももちろんおられますが
2胚移植をするとグレードの悪い胚がグレードのいい胚の着床を手助けし、
妊娠率が5%ほどあがると言われています。
その5%に賭けて2胚移植したところ、
嬉しいことにどちらも着床に至るケースがあり
多胎妊娠に至るのです。(二卵性)
稀にではありますが、その胚がさらに分割し一卵性双胎になり
三つ子や四つ子になるケースもあるそうですが
現代ではリスクを考え、四つ子五つ子は
残念ながら減胎手術(最もリスクの高そうな赤ちゃんを一部中絶し他の児を守る方法)を勧められるようです。
③多胎妊娠のリスク
2胚移植を考えていることをドクターに相談したとき
返ってきた答えはこうでした。
「お勧めはしません。
多胎だと切迫流産、切迫早産のリスクが上がります。
妊婦生活のほとんどを入院してベッドから下りられずに過ごすことになったり、
妊娠合併症のリスクも上がりますよ。
それに赤ちゃんが小さく産まれるので、
赤ちゃんにトラブルが起こるリスクもありますよ。」
私が、もし先生なら2胚移植をされますか?と問うと
「5%のために危ない橋は渡らないかな」と仰いました。
一卵性双子の場合はへその緒や赤ちゃんの入っている膜を共有している場合があり、
リスクは更に上がります。
一気に2人授かれたらいいよね~なんて思うかもしれないけれど
私もはじめは双子いいなぁ😆って思ったし、
「もし双子だったらどうしよう😆
車にチャイルドシート2個もつけたら車椅子どうしよう?」
なんて話してましたが
実際は…
多胎妊娠は妻子の身に何が起きるかわかりませんし
せっかく授かった赤ちゃんを亡くす可能性もなくはないのです。
それどころか、妻すら亡くす可能性もゼロではないのです。
そして、単胎(産まれる人数が1人)でも脊髄損傷車椅子のパパとの産後育児は妻にとって壮絶なのです。
多胎妊娠は、不妊治療の副産物。
一気に2人産まれたら、きっと可愛いですよね双子ちゃん♪
でも1人を無事に授かれることをまず考える方が
懸命なのかもしれません。