happypig~障害夫婦生活雑記~

障害者夫婦なんて、世の中にそうある組み合わせで脊髄損傷車椅子旦那の夫と突き抜けすぎてる妻、そこにぽっこり産まれてきたこどもの生活を描ていきたいと思います ☆

1歳の子どもを抱えてガンかも知れないと言われた日のこと➀

アナウンサーの小林麻央さんが亡くなって

先日1年が経ったとの報道がありましたね。

 

 

麻央さんがガンを公表された頃、

ちょうど私も医師からガンかもしれないと言われました。

 

 

幼い子どもを抱えて、旦那は車椅子で

どうしよう…

 

 

腫瘍の正体がわかるまで何ヵ月も掛かり、

それまでは悪性の可能性が拭いきれず

くうたに何をしてやれるか、

もしも私がいなくなっても二人が生きていけるように

私にしておけることは何かを考えることしかできませんでした。

 

そんな中で彼女のブログに元気付けられていた日々を思い出します。

麻央さん安らかに。

 

 

 

今日は私がデスモイドを発症した頃のことです。

 

 

 

それは保健師さんの勧めもあって入った保育園に、

くうたも私もやっと慣れ

資格勉強を再開しようと思い始めた7月のある日でした。

 

くうたはまだ1歳10ヵ月でした。

 

いつものように保育園から帰ったくうたと遊んでいた時です。

絵本を読もうとフローリングにうつ伏せになった瞬間、

ビリッと左腹部に何かが破れたような痛みが走りました。

 

 

そういえばこのところ、伸びをしにくいとかお腹が突っ張るとか

動作時に腹部に違和感を感じることはありました。

 

でも今のはあまりにも痛い…

 

ふと痛みが走った箇所に触れると

明らかに丸く固いものに触れます。

 

おかしい…これは何かまずいことが起きている…

動揺しながらも体勢を変えて、

くうたに本を読みました。

 

 

 

夜、帰宅した旦那に

「何かある気がするから触って」

と触ってもらうと

「ほんとだ何かあるね。すぐに病院に行って」

私は頷きました。

 

その晩は眠れず、ずっと一晩「腹筋 しこり」「腹部 腫瘍」と調べていました。

 

わかったのは、腹壁の腫瘍というのは大変珍しいものだということ。

ガンデスモイドの可能性が濃厚だということ。

デスモイドの場合、もう子どもは望めないかもしれないこと。

 

翌朝くうたを保育園に送るとすぐその足で

近所の総合病院の内科に駆け込みました。

随分待って診察室に呼ばれ、

ドクターは腹部をさわり「何かありますね。」と。

 

造影CTを撮ることになりましたが

血管が細く逃げやすいため

5分近くグリグリされ、

1週間以上痺れとアザが残りました。

 

 

 

CT画像を見たドクターは

「筋層内に確かに何かあります。

 筋肉のしこりは整形の分野ですから整形を受診してください。」

 

内科でわかったのは、筋層内に何かあるということだけでした。

 

同じ病院の整形を受診する手続きをするとのことで待っていると

ナースに呼ばれました。

「○○病院の整形外科に週に1度、

 大学病院の腫瘍専門の先生が来られるそうなんですが

 そちらに紹介してもいいですか?」

 

専門科に診てもらえるならその方がと予約を取り

その日は帰宅しました。

 

 

が、悪いものだったらどうしよう?

私が死ぬのは別に構わないし

寧ろ突然死よりは心の準備をして死ねる方が

私の性には合っているけれど

まだくうたは2歳にもならない。

 

私を覚えてなんていないよね。

 

もしもデスモイドだとしたら、

もう子どもは産めないのかな。

腹壁メッシュで出産には挑めないのかな…。

 

 

不安しかありません。

 

 

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数日後、腫瘍専門医に会いに病院に行きました。

旦那が脊髄損傷で運ばれた病院です。

 

 

不安しかないまま会った腫瘍専門医は

CT結果とエコー、触診をして

静かに言いました。

 

「腹壁の腫瘍というのは大変珍しいんです。

 まず考えられるのが悪性腫瘍、ガンの可能性です。

 それからぼくがちらっと思ったのはデスモイド腫瘍

 どちらにせよ大変な病気です。

 その他の可能性もありますが、まずその2つを疑っています。

 まずハッキリさせるために、MRIを撮りましょう。

 それで判断がつかなければ腫瘍に針を刺して細胞をとって検査するか、

 手術で腫瘍の一部を取ってしまって検査します。」

 

 

 

私、人前でほとんど泣いたことがないんです。

だけど、パッとくうたの顔が浮かび、

過去自殺未遂した私が「母親って死ねないんだな」と思いました。

 

「まだ子ども、1歳なんです。旦那、脊損なんです。

 私は死んでもいい人間だし、死ぬことは怖いと思わない。

 母方はガン家系だし、

 いつか自分もそうなるとは思ってました。

 でも今じゃない。今じゃ困るんですよ。」

そこまでドクターに言うと、子どもみたいに大声で泣いてしまいました。

今思い出しても、泣きそう。

 

 

ドクターは言いました。

「なんでそう思う?なんで死ぬと思う?

 そうならないために、検査しましょう。」