happypig~障害夫婦生活雑記~

障害者夫婦なんて、世の中にそうある組み合わせで脊髄損傷車椅子旦那の夫と突き抜けすぎてる妻、そこにぽっこり産まれてきたこどもの生活を描ていきたいと思います ☆

加害者を恨んでいいのか問題②

加害者を恨んでいいのか問題①のつづき

 

 

今日は雨。

雨が降っても傘をあまり使わない県民性なのかなぁ雪国のひとたち。

 

車社会だからでしょうかね。

 

傘の差せない車椅子族は

常にずぶ濡れ~👍

旦那は頭にタオル乗せるか、酷いときは

レインコート?を羽織ってご出勤🚙

 

雨が降ると途端にパワーが無くなる私ですが

今日は通院日。

なが~い待ち時間、昨日の加害者恨んでいいのか問題のつづき書きますね 。

 

 

 

私が加害者を意識するようになったのは

不妊治療を始めた時と

加害者の顔を初めて見た時と前回書きました。

 

脊髄損傷男性はたいていの場合、

性機能にも障害を来します。

正確には勃起不全を起こし、射精できなくなります。

射精できない状態が長期に渡ると

造精機能にも障害を来し、

自然にこどもを作れなくなります。

 

 

我が家も例に漏れず、

そのような理由で顕微授精でしかこどもを授かれません。

 

不妊治療って、高度になればなるほど

男性は用なし。

精子さえ回収してしまえば、あとは闘うのは女だけなんです。

 

わかっていて始めたことだとしても

やっぱり治療がうまくいかずにいると

憤りが生まれます。

 

なんで私だけがいつも際どい選択を迫られ、

予定をキャンセルしてまで頻繁に病院に通い、

自分とさして歳の変わらない男性の顔の前で

股を開かなければならないのか。

痛い施術を繰り返し受け、

それでもうまくいかずにひとりで悲しまなければならないのか。

 

不妊治療も全くの安全ではなく、

希ではあるけれど治療が引き金で様々な障害を来したり

死亡したりするリスクのあるものです。

 

私も不妊治療でOHSSを起こしたり

基礎疾患も相まって、麻酔トラブルが起きたりと

平坦ではありませんでした。

 

そんな時ふと、思ったんです。

私も加害者のせいで、

間接的に多大な不利益を被ってるんだなって。

 

 

でも私が直接加害を被ったわけでもなければ

すでに裁判の終わった事故のこと。

私には加害者を恨む権利はないし、

わかった上で結婚したのなら、恨むべきは己だなと思いました。

 

 

なんやかんやでくうたを授かれ

育児家事に追われるある日、

夕食を取りながらテレビを見ていたら

旦那が突然言いました。

「あー!こいつ!こいつだよ俺を脊損にした加害者!老けたなー!」

 

テレビのNEWSに、とある災害の被災者として

加害者がインタビューを受けていました。

 

はじめて見る加害者は

白髪頭の普通のおじさんでした。

 

 

へー

 

 

その時は「へー」としか思わなかったけど

後でふつふつと黒い気持ちが沸き上がり

自分が傷つけた被害者がいるのに、

よく被災者としてテレビに出れたなぁ…

そう思いました。

 

そのNEWSは義父母も見ていたようでした。

 

あなたのせいで

あなたの不注意のせいで

この20年間、旦那がどんな思いをしたか

どんな人生を送ったか。

何も知らないんだろうな。

知りたくもないんだろうな。

 

あなたのせいで、

くうたは生まれてから一度も

父親に高い高いしてもらったことがありません。

他の子みたいに父親の肩車で外を歩いたこともない。

 

あなたが起こした不注意で

事故となんの関係もない私やくうたまでが

不利益を被ってるのに

あなたは何で、テレビに出るの?

インタビューを受けれるの?

 

ふつふつと怒りは湧き出すのに

考えても考えても、

やっぱり私は加害者を恨める立場にはなく

それを選んだ己が悪いから

誰かのせいにしようとすること自体が

きっと間違っているんでしょうね。

 

 

 

加害者さん、私はあなたを恨めない。

恨めないから余計苦しい。

時々、ふっと加害者の顔が頭に浮かんで

何とも言えない複雑な感情が

波みたいに行ったり来たりを繰り返すのでした。

 

 

「…健やかなるときも病めるときも、富めるときも貧しいときも、愛し、敬い、いつくしむことを…」

 

 

なーんてね、

まだ診察室から呼ばれませーん(´-ω-`)

 

お尻に根が生えそうよ