happypig~障害夫婦生活雑記~

障害者夫婦なんて、世の中にそうある組み合わせで脊髄損傷車椅子旦那の夫と突き抜けすぎてる妻、そこにぽっこり産まれてきたこどもの生活を描ていきたいと思います ☆

【2人目不妊治療】2017.3.17 HCGと不妊様

●2017年に他所に投稿したブログの転載です。

 

野球なんて普段見ないのに

帰宅してすぐベッドに向かう気にもならず

日本の勝利を見届けてしまった。

 


久しぶりの産院の2階は夜なのに明るくきれいで

このLDRのベッドで産める人は幸せだなと思いながら

HCGの筋肉注射を打つためだけに往復1時間、

最寄りの産院まで車を走らせた。

 


今時、自己注射不可とか意味がわかんない…と

そういえば3年前も苛立ったのを思い出す。

 


くうたには説明をして、お風呂にいれて寝る準備を整えパパに託したけど、

バイバイと言いながら玄関まで追いかけてきて、

またバイバイと言いながらも靴を履こうとするから

慌てて玄関を出て、外から鍵をかけた。

 

 


眠気とくうたと、

10000円(注射1回の費用)と片道30分を以てしても

私が第2子を抱ける保証はおろか採卵できる保証すらない。

 


自分が決してのぼることなんてないはずの、産院のLDRのベッドに横になり

(ハイリスクはそもそもこの産院では産めない)

不妊様よろしく、妬み嫉みを頭に描かずにはいられない。

 


うつ伏せると腹壁でピシッと音がする。

 

デスモイドが“ここにいる”と自己主張。

この注射を打てばデスモイドがどうなるかは、誰にもわからない。

 


HCGって痛かったんでしたっけ?

 

もうそんなことすら思い出せない自分にゾッとする。

くうたを産んで私はお花畑に居たのねとゾッとする。

 


自分を突き落とさなければ、耐えきれる気がしなくて。

 


夜11時、なんでこんな時間に

私は人前でおしりを出さなきゃいけないんだ?

 


針が刺さったことすらよくわからなかったのに

やっぱり薬液が入ると痛くて、嗚呼、これこの感じ。

 

私はついに走り出したのかと、

目眩がした。

 


私があんなに望んだ治療はこれ。

 


でも私はもう、成功の先に何が待っているか

この先の幸福を知ってしまっているのだから

もう後戻りはできないんだと

改めて自分の愚かさを嘆いたのでした。